大雪りばぁねっと。事件を簡単に解説【文字バージョン】
初めまして、もしくはこんにちは。中の人です。
前回、ゼロコロナ制作についてかツイフェミについて書くと言いましたが、前言撤回。それより気になる事件を見つけてしまいました。
この2つは、この事件を取り扱ってまだ興味があったら書こうと思います。
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第1章 大雪りばぁねっと。の躍進
「大雪りばぁねっと。」とは、北海道旭川市に存在していた、岡田栄悟氏が代表を務めるNPO法人です。
「大雪りばぁねっと。」は地域活性化のために、2005年に設立され、当初は主に地域の環境保全活動や自治体のレスキューに対して救助訓練を指導するなどの活動を行っていました。
当時の「大雪りばぁねっと。」は年間の事業収入が600万程しか無く、あまり事業がうまくいっているとは言えない状況でした。
そんな感じで細々と活動していた「大雪りばぁねっと。」ですが、2011年3月から、当時発生した東日本大地震によって大きな被害を負った、岩手県山田町の被災者支援を始めます。
当時の山田町は、大規模な津波や火災によって多くの家屋が崩壊しており、自治体は人員や設備の問題が相まって対応が遅れている状況でした。
そんな混乱している状況で現れたのが、「大雪りばぁねっと。」です。
当然現れた彼らは、「行方不明の捜索活動をしたい」といい、活動を開始。
ボランティアセンターを立ち上げたり、物資センターの支援を行ったりなど、山田町の復興作業に取り組んでいました。
その活動を見ていた山田町は、「大雪りばぁねっと。」の活動を労い、代表の岡田栄悟氏に町幹部職員の肩書きを付与します。
この肩書きを付与した件については、当時、関係者の間で意見が分かれていました。
当時、岡田栄悟氏は身元を確認できる書類の提出を拒んでおり、そのような人物に町幹部としての肩書きを付与するのはいかがなものかと議論がされていたのです。
しかし、なんだかんだで付与することが決定しました。
その数ヶ月の5月、山田町と「大雪りばぁねっと。」は雇用創出事業の委託契約を締結する事が決定。
これによって「大雪りばぁねっと。」は、自治体から資金が支給されるようになりました。
委託契約をした「大雪りばぁねっと。」は、国の後押しや無料温泉事業などの開設によって、徐々に規模を拡大していき、被災者従業員を約130人程雇えるほど成長していきました。
自治体から支給される金額も、最初は千万円程度でしたが、規模の拡大と実績を積み重ねる事にいったことによって、最終的には年間約8億円、合計で12億円を超える金額が支給されています。
地元からの評判も悪く無く、このまま成長していくかと思われていた「大雪りばぁねっと。」ですが、ここから隠された闇が露呈していきます。
第2章 不正会計
2012年10月
岩手県議会にて、とある議員から「大雪りばぁねっと。」の不適切な支出についての説明が要望されました。
実はこの県議会の数ヶ月前、「大雪りばぁねっと。」が提出した書類に不備があること、団体が活動拠点にしていた体育館を無断で改造していたことが報告されていたのです。
この質問を受けて岩手県は、実態を調べるために山田町と「大雪りばぁねっと」に聞き取り調査を開始します。
そしてその際に、岡田栄悟氏から活動資金のほとんどを使い切った事が報告されました。
この報告を受けて団体の口座残高を調べた結果、残りが75万円しかない事が判明。財務体質がかなり異常だった事が発覚しました。
この報告を受けた山田町は、すぐさま事業を打ち切る事を宣言。第三者調査委員会を設立して、本格的な調査を開始します。
その結果、当年支給された約8億円のうち、なんと約5億円が不正に使用されていた事が判明しました。
ちなみにその5億円の行方ですが、当時のメディアによって岡田栄悟氏の豪遊に使われていた事が判明。世間からかなりバッシングされ始めました。
事業が打ち切られた事によって支援が受けられなくなった「大雪りばぁねっと」は突然、給料が払えない事を理由に被災者従業員全員を解雇します。
そして2013年に労働基準監督署は「大雪りばぁねっと」が破産状態にある事を宣言。
そしてその数ヶ月後に東京地裁によって破産手続きが開始。総額5億6000万円の負債を抱えて、「大雪りばぁねっと」は破産しました。
第3章 大雪りばぁねっとの末路
破産して1年後の2014年。山田町は「大雪りばぁねっと」を告訴する事を発表。
その結果、代表の岡田栄悟氏、その妻、そして、なにも働いてないのに高額な給料を得ていた岡田氏の妻を逮捕。
その後、資金を流用したとして岡田氏の妻の弟を含む二人が逮捕されました。
その後の裁判にて、逮捕された人全員に実刑判決が下されます。
この判決をもって、「大雪りばぁねっと」事件は終焉を迎えました。
余談
NPO法人が起こした、大規模な横領事件として同時はかなり話題になったこの事件ですが、この事件が起こった原因の一つとして、山田町の管理の杜撰さが挙げられています。
当時は災害によって混乱していたとはいえ、岡田氏や「大雪りばぁねっと」の事をよく調べずに契約を結んでしまいました。
契約を結んだ後も、約1年半にわたって不正を見逃してしまっています。
国民の税金が支給される以上、もう少し厳格に管理してほしいですね。
次回の記事は未定です。
気になったのがあったら気ままに書きます。